6.
「俺のターン、ドロー…」
何もしていないのに疲れてしまった栄一にターンが移った。
さらに、Gから容赦ない宣告が下される。
「スタンバイフェイズに、『ドグマガイ』3体の効果が発動。君のライフを3回半分にします。
『ライフ・アブソリュート 3連打』」
Gの宣言と共に、栄一を中心にエネルギーの渦が三重に発生する。
それは天に向かって伸び・・・渦の中にいる栄一のライフのほとんどを奪った。
「ぐわっ!」
栄一:LP4000→2000→1000→500
1発でもかなり効く『ドグマガイ』の『ライフ・アブソリュート』を3発も受けた栄一。
しかし、不思議とこの一撃はさほど重く感じなかった。
(エドさんの時に比べて重みがない…、効果は同じなのに……)
予想外にダメージが軽かったためか、栄一の心にも少し余裕が出てきた。
その時、デッキから栄一に声が届いた。
『栄一!私を呼べ!』
「…そうだな。お前となら、あのモンスターたちとも戦っていけそうだ!
お前の『強者がひしめく闇の世界』の効果発動!デッキからレベル7のモンスターを特殊召喚する!来い!!」
『E・HERO バーニング・バスター』!!
栄一の呼びかけに応え、灼熱のHEROが闇の中から姿を現した。
E・HERO バーニング・バスター ☆7(NEXUSオリジナル)
炎 戦士族 効果 ATK2800 DEF2400
自分フィールド上に存在する戦士族モンスターが
戦闘またはカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時、
手札からこのカードを特殊召喚する事ができる。
このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、
破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
(でも、バスターが闇の中から現れるのはなんか嫌だな…)
栄一がそんなことを考えている間に、Gはセットカードを1枚表にしていた。
その瞬間、バスターの足元に底が見えない穴が開き、バスターはその穴に飲み込まれていった。
奈落の落とし穴 通常罠
相手が攻撃力1500以上のモンスターを
召喚・反転召喚・特殊召喚した時に発動する事ができる。
その攻撃力1500以上のモンスターを破壊しゲームから除外する。
「はいはい奈落奈落。これで君の切り札は除去しましたよ。それにしても、噂には聞いていましたが、まさか本当に君が『本物の』バスターを持っているとは…。
この目で本物が見られて光栄ですよ」
軽い口調で話すGの表情は少し驚きをあらわにしていたが、挑発的だった。かかってこいとでも言わんばかりに。
(明石 栄一は『バーニング・バスター』を失うと、戦意を喪失するとデータにはありましたね…。
こんなことでくじけないで下さいよ、面白くないですからね)
しかし、栄一の瞳から光は消えていなかった。むしろ、さらに輝きを増して、目の前の敵を倒そうと意気込んでいた。
「バスターが除去されたか…、だがまだ俺に手はあるぜ!『闇の誘惑』を発動!2枚ドローして、『E・HERO クラッチマン』を除外する!」
闇の誘惑 通常魔法
自分のデッキからカードを2枚ドローし、
その後手札の闇属性モンスター1体を選択してゲームから除外する。
手札に闇属性モンスターがない場合、手札を全て墓地へ送る。
ドローカードで手札を整え、栄一はさらなる手を打っていく。
「『E・HERO ネクロシャドーマン』を召喚、リリースして、『エネミーコントローラー』を発動!『Bloo-D』のコントロールを得るぜ!」
エネミーコントローラー 速攻魔法
次の効果から1つを選択して発動する。
●相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体の表示形式を変更する。
●自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースして発動する。
このターンのエンドフェイズ時まで、相手フィールド上に表側表示で存在する
モンスター1体のコントロールを得る。
まずは、こちらのモンスター効果を無効にしてくる『Bloo-D』を除去しなければ、何も始まらない。
そう判断した栄一は、『Bloo-D』を1体奪いにかかった。
しかし、Gがもう1枚のセットカードを発動した。
「罠カード発動、『デストラクト・ポーション』この効果で私の場のモンスター1体を破壊します」
「…っ!しまった!」
栄一は予想外の罠発動に驚いていた。『デストラクト・ポーション』で奪おうとした『Bloo-D』を破壊されれば、『エネミーコントローラー』は不発になるのである。
デストラクト・ポーション 通常罠
自分フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターを破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分だけ自分のライフポイントを回復する。
しかし、その後Gが発した言葉は意外なものだった。
「私がこの効果で破壊するのは、『ザ・カリキュレーター』です。私のライフを24000ポイント回復します」
その宣言とともに電卓が破壊され、Gに膨大なライフがもたらされた。
G:LP1000→25000
「なんで『Bloo-D』を破壊しなかったんだ…?」
栄一が疑問を思わず口にする。
すると、
「ここで『Bloo-D』を破壊したら、君が本気を出す前に終わってしまうでしょう?それじゃ面白くないです」
Gは、さも当然であるかのようにそう言った。
「…ずいぶんと余裕だな。油断してると痛い目見るぞ!っと、リリースした『ネクロシャドーマン』の効果が発動するな。
お互いのデッキトップからカードを1枚墓地に送る!」
不気味なヒーローの幻影が再び現れ、互いのデッキから1枚のカードを奪い去った。
「フフ…、では君の全力を見せてもらいましょう」
相変わらず挑発的なGに一泡吹かせるため、栄一は次の手を打った。
「『未来融合』を発動!『ノヴァマスター』を指定して、『ライオマン』と『リリカル・セイジ』を墓地に送るぜ!
さらに、墓地に送った『リリカル・セイジ』を除外して、1枚ドローする!」
先ほどGがやった方法と全く同じ方法で、栄一は新たなカードを手にした。
しかも、それだけでは終わらなかった。
「『異次元からの埋葬』を発動!除外された『バスター』、『クラッチマン』、『リリカル・セイジ』を墓地に戻す!
いくぞ!『ミラクル・フュージョン』を発動!墓地の『バスター』と『クラッチマン』を除外する!!」
異次元からの埋葬 速攻魔法
ゲームから除外されているモンスターカードを3枚まで選択し、そのカードを墓地に戻す。
ミラクル・フュージョン 通常魔法
自分のフィールド上または墓地から、融合モンスターカードによって
決められたモンスターをゲームから除外し、「E・HERO」という
名のついた融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。
(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)
「『パワード・バーニング・バスター』、『ノヴァマスター』、『エスクリダオ』…どれを出すつもりなのか知りませんが、それでどうするのですか?」
Gは出てくるモンスターを推測したが…
「いや…、召喚するのは今言ったどれでもないぜ!」
すると、クラッチマンはバスターの姿を写し取り、バスターはその身に宿る強大な炎の力を開放して、バスターの姿をしたクラッチマンに力を授けた。
そして、フィールドに業火を操るHEROが現れた。
「俺が召喚したのは、
『E・HERO バーニング・ソウル・バスター』だ!
融合素材にした『クラッチマン』の効果で攻撃力が500ポイントアップする!」
E・HERO バーニング・ソウル・バスター ☆10(NEXUSオリジナル)
炎 戦士族 融合・効果 ATK2800 DEF2400
「E・HERO バーニング・バスター」+レベル7以上の炎属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、このカードの融合素材とした「E・HERO バーニング・バスター」以外のモンスターの攻撃力の半分の数値分アップする。このカードは相手フィールド上の全てのモンスターに1回ずつ攻撃をする事ができる。
このカードが戦闘を行う場合、相手プレイヤーが受ける戦闘ダメージは0になる。
このカードが戦闘によってモンスターを破壊する度に相手に600ポイントのダメージを与える。
E・HERO クラッチマン ☆3(NEXUSオリジナル)
闇 戦士族 効果 ATK1000 DEF800
このカードを融合素材モンスター1体の代わりにする事ができる。
その際、他の融合素材モンスターは正規のものでなければならない。
このカードを融合素材にして融合召喚されたモンスターは、攻撃力が500ポイントアップする。
バーニング・ソウル・バスター:ATK2800→3300
「なるほど…『クラッチマン』を『バスター』の代わりにして、『バスター』を炎属性モンスターとして扱うわけですか。これは盲点でした。
ですが、効果は無効になっているのにいったい何を?」
Gは、意外な融合方法に驚きながらも、この状況で『バーニング・ソウル・バスター』を出したことに疑問を感じていた。
「それはすぐに分かるぜ!まずは、『エレメンタル・ターボ』を発動!2枚ドローする!
さらに、手札から『ギガ・サラマンダー』を捨てて、デッキから『サラマンドラ』を手札に加え、発動!」
剣が持つ炎の力が、『バーニング・ソウル・バスター』にさらなる力を与えた。
エレメンタル・ターボ 通常魔法(NEXUSオリジナル)
「E・HERO」と名のついたモンスターの融合召喚に成功したターンに発動する事ができる。
自分のデッキからカードを2枚ドローする。
ギガ・サラマンダー ☆4(第2回ネクサスチャットにてkunaiさんにより投稿されたオリカ)
炎 炎族 効果 ATK700 DEF0
このカードを手札から墓地に捨てる。
デッキから「サラマンドラ」1枚を手札に加える。
自分の墓地に存在するこのカードと「サラマンドラ」1枚をゲームから除外することで、自分のデッキからカードを1枚ドローする。
サラマンドラ 装備魔法
炎属性モンスターの攻撃力は700ポイントアップ!
バーニング・ソウル・バスター:ATK3300→4000
「これで『バーニング・ソウル・バスター』の攻撃力が、お前のD-HEROたちを上回った!
バトル!『Bloo-D』で『Bloo-D』に攻撃、相打ちだ!
さらに、『バーニング・ソウル・バスター』で『Bloo-D』に攻撃、破壊!
これで『バーニング・ソウル・バスター』の効果が復活した!続けて『D-END』3体、『ドグマガイ』3体、『ザ・カリキュレーター』の順で攻撃!『バーニング・ソウル・バースト』!!」
栄一の場のモンスターの攻撃により、『Bloo-D』は全滅した。
その瞬間、業火のHEROはその能力を取り戻し、炎球を作り高く投げあげた。
炎球は空中で分解し、Gの場全体に降り注ぎ、Gのモンスターを焼き尽くした。
その余波は若干ながらもGに及んだ。
「『バーニング・ソウル・バスター』は戦闘ダメージを与えられないけど、戦闘でモンスターを破壊した時、相手に600ダメージを与える!
『バーニング・ソウル・バスター』で8体のモンスターを破壊したから、4800ダメージを与える!」
G:LP25000→20200
「…ふう、やりますね。それでこそ、倒しがいがありますよ」
1ターンで10体のモンスターを全滅させられたが、Gにはまだまだ余裕があるようだった。
「カードを2枚伏せ、ターン終了だ!」
栄一は残った2枚の手札を伏せた。
お互い1ターン目から、手札をほとんど使い切る壮絶な戦いとなっていた。
2ターン目終了時
G |
LP |
20200 |
手札 |
2枚(ミラクル・ヒーロー×2) |
モンスターゾーン |
なし |
魔法・罠ゾーン |
未来融合(ノヴァマスター指定)
絶対魔法禁止区域 |
フィールド魔法 |
強者がひしめく闇の世界 |
栄一 |
LP |
500 |
手札 |
0枚 |
モンスターゾーン |
バーニング・ソウル・バスター(ATK4000) |
魔法・罠ゾーン |
リバースカード2枚
サラマンドラ
未来融合(ノヴァマスター指定) |
7.
「私のターン、ドロー。それではまずスタンバイフェイズに」
「スタンバイフェイズに入る前に、このカード、『ヒーローズルール1 ファイブ・フリーダムス』を発動する!
お前の墓地から『D-END』3体、『ブリューナク』、『フェニックスブレード』を除外する!」
ヒーローズルール1 ファイブ・フリーダムス 通常罠(アニメGXオリジナル)
自分と相手の墓地から、合計が5枚になるようにカードをゲームから除外する。
『D-END』3体、『ブリューナク』の魂が天にのぼり消滅し、『フェニックスブレード』も墓地からはじき出された。
「まあ、『D-END』の復活を許したら負けですからね。そのくらいはしてもらわないと」
Gは、予想通り、期待通りとでも言わんばかりの口調で言った。
「では、『闇の誘惑』を発動、2枚ドローして『ミラクル・ヒーロー』を1枚除外します。
さらに、『終わりの始まり』を発動、『ドグマガイ』3体と『Bloo-D』2体を除外して3枚ドローします」
終わりの始まり 通常魔法
自分の墓地に闇属性モンスターが7体以上存在する場合に発動する事ができる。
自分の墓地に存在する闇属性モンスター5体をゲームから除外する事で、
自分のデッキからカードを3枚ドローする。
ドローカードを繰り返し発動したGの手札は、5枚まで増えていた。
しかし、思うようなカードが引けなかったのか、Gは面白くなさそうな表情をした。
「ふむ…、このターンは様子見になりそうですね。『ファイヤー・バック』を発動します。
手札の『BG(ブレイブ・ガーディアン) マッハ・ブレイザー』を捨てて、そのまま特殊召喚します」
墓地に送られた炎の勇者は、炎の力により自身を呼び覚まし、場に現れた。
ファイヤー・バック 通常魔法(アニメGXオリジナル)
手札から炎属性モンスター1体を墓地に送り、
自分の墓地から炎属性モンスター1体を特殊召喚する。
BG(ブレイブ・ガーディアン) マッハ・ブレイザー ☆4(NEXUSオリジナル)
炎 炎族 効果 ATK1800 DEF200
このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、
自分のデッキから「G・HERO」または「BG」
と名のついたモンスター1体を選択して手札に加える事ができる。
「今度は『BG』か…。これも、別世界から手に入れてきたのか……」
『G・HERO』や『BG』は本来ならば、護以外は持っていないはずのカード。
それを目の前の男が当然のように使ってくることに、栄一は釈然としない感覚を覚えた…。
「まあ、これは別世界にも無かったのですが…入手過程を書いていると、文庫本2045ページ相当になってしまうのでここでは話しません。
ガーディアンズマスターから奪ったものではない、とだけ言っておきます。
では、『ブレイザー』の効果発動。デッキから2枚目の『ブレイザー』をサーチします」
場に出た勇者に誘われ、デッキから新たなガーディアンがGの手札に加わった。
「『ブレイザー』で『ブレイザー』を手札に…。なんか色々と間違ってる気がするのは俺だけか?」
「…?『ブレイザー』はこうやって使うものでしょう?流通すれば、みなさんデッキに3枚投入するでしょうね。
では、さらに『闇の世界』の効果で墓地から『精霊王ルクランバ』を特殊召喚、すぐに効果を発動してリリース、手札から『ブレイザー』を特殊召喚します。
『ブレイザー』の効果で3枚目の『ブレイザー』をサーチします」
『ルクランバ』が再び闇の中から現れ、すぐに消えた。
代わりに、Gの場の炎の勇者は2体になった。さらに、Gの手札には3枚目の『ブレイザー』が加わった。
「私はこのターン通常召喚を行っていません。3枚目の『ブレイザー』を召喚します。効果で、『BG インフィニティ・ナイト』をサーチします。
3体の『ブレイザー』をリリース、『インフィニティ・ナイト』を特殊召喚します」
『ブレイザー』3体が場から消え、代わりにBGの最上級モンスター、『インフィニティ・ナイト』が現れた。
BG インフィニティ・ナイト ☆8(NEXUSオリジナル)
炎 炎族 効果 ATK3500 DEF2800
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上に存在する
「G・HERO」または「BG」と名のついたモンスターを含む
モンスター3体をリリースした場合のみ特殊召喚する事ができる。
このカードが破壊された場合、次の自分ターンのスタンバイフェイズ時、
自分はデッキからカードを1枚選択して手札に加える事ができる。
「どこが様子見だよ…。普通に切り札級じゃねえか……」
栄一は、Gの言葉と行動があまりにもかけ離れていることに呆然としていた。
「この程度では様子見にもなりませんよ。まだまだいきます。
『真炎の爆発』を発動します。墓地から守備力がちょうど200のモンスターを可能な限り特殊召喚します。
『ブレイザー』3体を特殊召喚して、効果で2枚目の『インフィニティ・ナイト』と『G・HERO ラピート』2枚をサーチします。
『ブレイザー』3体をリリース、2体目の『インフィニティ・ナイト』を特殊召喚します」
「たった1枚のカードで3体のモンスターを蘇生、しかも手札に2枚のカードを加え、2体目の『インフィニティ・ナイト』まで召喚!?ありえないだろ…」
栄一は、『真炎の爆発』と『ブレイザー』の強力効果と驚異的なシナジーに驚愕した…。
真炎の爆発 通常魔法
自分の墓地に存在する守備力200の
炎属性モンスターを可能な限り特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズ時にゲームから除外される。
「まだ終わりませんよ。今サーチした『ラピート』2枚を捨てて、『魔法石の採掘』を発動、『真炎の爆発』を手札に戻します。
当然すぐに発動、再び『ブレイザー』3体を特殊召喚して、効果で3枚目の『インフィニティ・ナイト』と『ラピート』、『G・HERO クワイエット・ファイター』をサーチします。
『ブレイザー』3体をリリース、3体目の『インフィニティ・ナイト』を特殊召喚します」
Gの場には、BGの中でも高い攻撃力と強力な効果を持つ『インフィニティ・ナイト』が3体も並んだ。
「ふう、ではこのターンのモンスター召喚はこのくらいにしましょう。やはりあれだけ展開した次のターンは無茶できませんねぇ…。
でも、まだやることはあります。『打ち出の小槌』を発動、先ほどサーチした『ラピート』、『クワイエット・ファイター』をデッキに戻し2枚ドロー。
さらに『サイクロン』を発動、『サラマンドラ』を破壊します」
サーチされた2枚のカードは新たな手札に変換された。
そして、突如起きた竜巻は『バーニング・ソウル・バスター』の持つ剣を吹き飛ばし、『インフィニティ・ナイト』との力関係を逆転させた。
バーニング・ソウル・バスター:ATK4000→3300
「では、バトル、『インフィニティ・ナイト』Aで『バーニング・ソウル・バスター』に攻撃」
「『ドレインシールド』を発動!『インフィニティ・ナイト』の攻撃を無効にして攻撃力分ライフを回復する!」
ドレインシールド 通常罠
相手モンスター1体の攻撃を無効にし、
そのモンスターの攻撃力分の数値だけ自分のライフポイントを回復する。
『インフィニティ・ナイト』が炎をまとった剣を振るったが、その斬撃は盾に防がれ、炎が吸収されて栄一のライフに変換された。
栄一:LP500→4000
「ですが、これで君の場に伏せカードはありません。2体の『インフィニティ・ナイト』で攻撃します」
先ほどと同じように、2体の『インフィニティ・ナイト』が剣を振るった。
1体目の攻撃は『バーニング・ソウル・バスター』に、2体目の攻撃は栄一に直撃した。
「ぐっ…」
栄一:LP4000→3800→300
「カードを1枚伏せ、ターン終了です」
Gのターンは先ほどよりもかなり短かった。そういう意味では、『様子見』というのもあながち間違ってないのかもしれない。
3ターン目終了時
G |
LP |
20200 |
手札 |
1枚(ミラクル・ヒーロー) |
モンスターゾーン |
BG インフィニティ・ナイト×3(ATK3500) |
魔法・罠ゾーン |
リバースカード1枚
未来融合(ノヴァマスター指定)
絶対魔法禁止区域 |
フィールド魔法 |
強者がひしめく闇の世界 |
栄一 |
LP |
300 |
手札 |
0枚 |
モンスターゾーン |
なし |
魔法・罠ゾーン |
未来融合(ノヴァマスター指定) |
8.
「俺のターン、ドロー!墓地の『ギガ・サラマンダー』の効果発動!このカードと『サラマンドラ』を除外して1枚ドローする!」
『ギガ・サラマンダー』の効果により、栄一はさらにドローを加速させた。
ドローカードを見た栄一は、迷わず2枚の手札、『非常食』と『E・HERO バブルマン』を場に出そうとした。
『非常食』で場を空にすれば、『バブルマン』を特殊召喚してさらにドローできる。
非常食 速攻魔法
このカード以外の自分フィールド上に存在する魔法・罠カードを任意の枚数墓地へ送って発動する。
墓地へ送ったカード1枚につき、自分は1000ライフポイント回復する。
E・HERO バブルマン ☆4
水 戦士族 効果 ATK800 DEF1200
手札がこのカード1枚だけの場合、
このカードを手札から特殊召喚する事ができる。
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に
自分のフィールド上と手札に他のカードが無い場合、
デッキからカードを2枚ドローする事ができる。
しかしその瞬間、栄一の本能が、今から取ろうとしていた行動に警鐘を鳴らした。
悩んだ結果、栄一はその本能に従うことにした。
「『非常食』を発動!『未来融合』を墓地に送って1000ライフ回復する!
さらに、『E・HERO バブルマン』を召喚する!『バブルマン』の効果で2枚ドロー!」
栄一:LP300→1300
この行動を見たGは、首をかしげた。
「…なぜ『バブルマン』をわざわざ召喚したんですか?」
Gの疑問はもっともである。しかし、ドローしたカードは、栄一の勘が驚異的なものであることを示していた。
「『平行世界融合』を発動!除外された『バスター』と『クラッチマン』をデッキに戻し、『E・HERO パワード・バーニング・バスター』を特殊召喚する!
『クラッチマン』の効果で『パワード』の攻撃力は3700、『インフィニティ・ナイト』を上回った!!」
E・HERO パワード・バーニング・バスター ☆8(NEXUSオリジナル)
炎 戦士族 融合・効果 ATK3200 DEF2800
「E・HERO バーニング・バスター」+戦士族モンスター1体
このモンスターの融合召喚は、上記のカードでしか行えず、融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、
破壊したモンスターの攻撃力か守備力の高い方の数値分のダメージを相手ライフに与える。
パラレルワールドから2体のモンスターが帰還し、融合した。
しかし、無理に2つの世界をつなげたからか、栄一の場にひずみが生じて、一時的にモンスターを特殊召喚できなくなったようだった。
「『平行世界融合』を発動したターン、それ以外の特殊召喚はできない…。
まさか、ドローカードを読んだのですか…、勘が鋭いとデータにはありましたが、これは驚きです」
Gが感嘆の声を漏らした。
「いや、まあ…なんとなくだけどな。なんか特殊召喚したらまずい気がしたんだ」
それに対し栄一は、行動の理由を簡単に答えた。
「ですが、罠発動です」
その言葉とともにフィールドに激流が押し寄せ、『パワード・バーニング・バスター』を『インフィニティ・ナイト』もろとも墓地へ流していった。
激流葬 通常罠
モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時に発動する事ができる。
フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。
「フフ、大体予想通りの行動をとってくれて助かりましたよ。『インフィニティ・ナイト』を置いておけば、君はさらに攻撃力の高いモンスターを出して対抗してくると思っていました。
そして、結果として君は手札と召喚権、特殊召喚権を無駄に使い、未来融合まで放棄しました。
対して、私は『インフィニティ・ナイト』3体が破壊されたので次のターンに好きなカードを3枚サーチできます。
ここまで見事に引っかかってくれてありがとうございます」
Gは、自分の戦術の成功を嬉々として語った。
それに対し栄一は、Gの反応に疑問を抱いたようだった。
「『インフィニティ・ナイト』はおとりで、元々破壊される前提か…。
モンスターを犠牲にすることが必ずしも間違ってるとは思わないが、そこまで嬉しそうに破壊するのはどうかとも思うぜ」
「『インフィニティ・ナイト』は破壊されて初めて効果が発動するんでしょう?破壊して当たり前なんですよ。
勝利のためにモンスターを利用するのは当然じゃないですか。それに、次のターンに好きなカードを3枚サーチできるんですよ。喜ばないわけがないじゃないですか」
「…分からなくもないけど、俺はあんたみたいな人に最強のデュエリストになって欲しくはない。この勝負、負けられねえ!
『ホープ・オブ・フィフス』を発動!『パワード』、『バーニング・ソウル』、『エッジマン』、『バブルマン』、『ライオマン』をデッキに戻して3枚ドローする!」
墓地から5体のHEROがデッキに戻り、栄一に3ドローという希望をもたらした。
ホープ・オブ・フィフス 通常魔法
自分の墓地に存在する「E・HERO」と名のついたカードを5枚選択し、デッキに加えてシャッフルする。
その後、自分のデッキからカードを2枚ドローする。
このカードの発動時に自分フィールド上及び手札に他のカードが存在しない場合はカードを3枚ドローする。
「2ターン目の『ネクロシャドーマン』の効果で『エッジマン』が墓地に送られていましたか…。」
「そうだ。カードを3枚セットして、ターン終了だ」
栄一は、Gのターンに備えて手札を全て伏せた。
4ターン目終了時
G |
LP |
20200 |
手札 |
1枚(ミラクル・ヒーロー) |
モンスターゾーン |
なし |
魔法・罠ゾーン |
未来融合(ノヴァマスター指定)
絶対魔法禁止区域 |
フィールド魔法 |
強者がひしめく闇の世界 |
栄一 |
LP |
1300 |
手札 |
0枚 |
モンスターゾーン |
なし |
魔法・罠ゾーン |
リバースカード3枚 |
「私のターン、ドロー。…そうですね、こういう趣向の決着はどうでしょうか。
まず、『インフィニティ・ナイト』3体の効果でデッキから『異次元からの帰還』、『ジャンク・コレクター』、『ミラクル・フュージョン』をサーチします」
『インフィニティ・ナイト』の効果でGの手札は大幅に補強された。
G:手札2枚→5枚
「さらに、『未来融合』の効果で『E・HERO ノヴァマスター』が特殊召喚されます」
炎を操るHEROが2ターン遅れでの融合を遂げた。
E・HERO ノヴァマスター ☆8
炎 戦士族 融合・効果 ATK2600 DEF2100
「E・HERO」と名のついたモンスター+炎属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、自分のデッキからカードを1枚ドローする。
「そして、『闇の世界』の効果でデッキからレベル7のモンスターを特殊召喚します」
そう言うと、Gはデッキからモンスターカードを1枚取り出し、特殊召喚した。
「なっ、何!?」
これには栄一も驚きを隠せなかった。
Gの場に現れたのは、栄一が最も信頼している灼熱の戦士。
『E・HERO バーニング・バスター』が、栄一と対峙した。
後編へ続く
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