東北楽天の渡辺直人選手の横浜への金銭トレードが、各地で波紋を呼んでいるようです。
10日の楽天の契約更改の際の会見では、鉄平選手、草野大輔選手、嶋基宏選手の3人が、トレード問題について揃って涙を流すという場面もあった模様です。
今回の事件の最大の要因は、やはり岩隈久志選手の、ポスティングによるメジャー移籍の断念だと思います。
楽天はこのオフ、星野仙一新監督の下、岩村明憲選手、松井稼頭夫選手の2人の元メジャーリーガーに加え、さらに中日・西武で活躍し、昨年は韓国で投げていた岡本真或選手を獲得しています。
これだけの大型補強は、やはり岩隈選手のポスティング移籍による入札金があってこそできたものだと思います。
しかし、最終的に岩隈選手は移籍を断念。入札金もフイになってしまいました。
つまり渡辺選手の横浜移籍は、岩隈移籍によって手に入れる筈だったお金の穴埋めだと、容易に取れてしまうのです。岩村選手(三塁・二塁)も松井選手(遊撃・二塁)も、共に渡辺選手(遊撃・二塁)とポジションが被る事も、渡辺トレードに拍車をかけたのでしょう。
涙を流される程、周りの人々に愛されていた渡辺選手の移籍。これは楽天のこれからだけでなく、NPBのこれからにも一石を投じる事になるかもしれません。大物選手でも諸事情あればすぐに移籍するMLBと違って、日本の野球界では、生え抜き選手の移籍はあまり奨励されたものではないからです。
FA移籍したら、その選手に対して元の球団のファンから容赦ないブーイング。トレードですら、チーム同士の戦力補強というよりは、選手の左遷というイメージが、日本では未だに強いのです。
岩隈選手自身も、移籍断念で色々問題になっていますが、その問題がここまで拡大されるとは。
何にせよ渡辺選手には、今回の悲劇を打ち払うような、新天地でのさらなる飛躍を期待したいと思います。
