昨日の記事についてちょっと補足。
日本のプロ球団に見られる「球団名の頭に企業名を翳す」という性質、これには理由があります。
そもそも、日本のプロ球団というのは、極端に言えば、それぞれ企業が「その社が経営する野球団体」として立ち上げたんですよね。
読売ジャイアンツは、1934年に来日したメジャーリーグ選抜との壮行試合に参加したメンバーを中心に選手を集め、「大日本東京野球倶楽部」として読売が発足させたチームですし、南海ホークス(現ソフトバンクホークス)や阪急ブレーブス(現オリックスバファローズ)も、それぞれの鉄道会社が事業の一環とし て立ち上げたものです。
それらのチームが集まって、1936年に、現在のプロ野球である「職業野球」として公式戦が開催されました。
つまり、日本のプロ野球チームというのは
企業があって、その傘下に野球団体があるので、企業名というのはチーム名から外すに外せないものなんですね。
こういう性質を、
コーポレート・アイデンティティ(Corporate Identity:略称CI)と呼ぶようです。
一方で、メジャーリーグに注目して頂くと分かるのですが、アメリカの野球団体というのはメジャーにしろマイナーにしろ
ニューヨーク・ヤンキースや
ボストン・レッドソックス、
ボルチモア・オリオールズのように、チーム名の頭にそのチームの置かれている地域名を翳しています。
これは、メジャーリーグはそもそも、その地域毎に発足されたクラブチームが集まり、紆余曲折の末に現在の30チームに纏まった野球機構だから、という部分に理由があります。
当然、メジャーにもオーナーである企業が存在しますが、イメージ的には、日本のように
企業の傘下に野球チームを設立するのではなく、
その地域に存在する野球チームを、それぞれの企業が買って傘下にするといった説明が近いかな?
こういう性質を、
エリア・アイデンティティ(Area Identity:略称AI)と呼ぶようです。
某水属性霊術モンスターを連想した方、素直に職員室に来なさい。
日本プロ野球の性質であるCIには、「チーム名に企業名を入れて宣伝するな」等の批判がありますが、かといって今更12球団全てが企業名を外してしまったら、今のチーム名で呼ぶのに慣れてしまっている分、それはそれで違和感バリバリになってしまうでしょうけどね・・・。
地域密着の事も考えたら、さらにややこしい話ではありますが。

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